2021.03.27 の日記:親密度関数

他人ではないけどすごく仲が良いわけでもない人に対して,好かれていることを想定してコミュニケーションをとるか嫌われていることを想定してコミュニケーションをとるかは人によってかなり違っていて人付き合いのやり方に大きい影響を与えているんじゃないかなぁとか考えていた.そう仮定したら生活していて感じたアレコレが上手く説明できるというだけで,日常のひとつひとつの出来事から帰納的・演繹的に導いたわけではない.僕の思考法はそうなりがち.研究についてもそう.

初対面の人に対しては好かれても嫌われてもないだろうと思ってソレ用の話し方で会話できるし,仲が良い人に対しては当然好かれているだろうからそのつもりで好き勝手に会話できるけど,その中間の人に対しては嫌われている (とまではいかないけどあまりいいイメージは持たれていない)前提で向き合うので当たり障りのないことしか言えずあまり会話できずに終わってしまう.コミュニケーションができないと当然人と仲良くなれないので,人と仲良くなるためにはこの中間段階をすっ飛ばすか強制的に会話する状況が定期的に発生する必要がある.

僕が魅力的な人間で,相手と会話さえできれば仲良くなれると仮定しよう.

......仮定だってば.

\begin{align}
\frac{d親密度}{dt} = a会話のし易さ\ \ \ \left( a>0\right).
\end{align}

初対面の人・仲が良い人相手には会話できるので仲良くなれて,中間の相手には会話できないので仲良くなれない.簡単のために,会話のし易さが親密度を引数とする二次関数で表せるとしよう.

\begin{align}
会話のし易さ &= f\left(親密度\right) \\
&=\left(親密度 -1\right) \left( 親密度-3\right).
\end{align}

そうすると,

\begin{align}
\therefore \ \ \ \frac{d親密度}{dt} &= a\left(親密度 -1\right) \left( 親密度-3\right).
\end{align}

親密度が \(1\) より小さいときと \(3\) より大きいときは会話ができるので親密度が大きくなるほうに動き,親密度が \(1\) と \(3\) の間のときは会話ができないので親密度が小さくなるほうに動く.

f:id:a15151595:20210327001915j:plain

初対面で親密度 \(0\) の初期条件から始めると,上の式は

\begin{align}
親密度 = \frac{3\mathrm{e}^{2at}-3}{3\mathrm{e}^{2at}-1}
\end{align}

と解ける.

f:id:a15151595:20210327023527j:plain

\(a=1\)の場合をグラフにするとこうなり,親密度が \(1\) に漸近する様子がわかる.

親密度 \(1\) の点は安定な固定点なので,多少の摂動には影響されない.初対面と知り合いの間くらいの親密度が安定であることが実感できる.

===

難しい話をしようと思ったけどあまり話が膨らまなくて力学の第 1 回目の講義みたいになっちゃった.でもこのくらいの話がちょうど良くない?