昨日一昨日みたいな話を続けるといずれ気が狂ってモルヒネにハマり脳病院で治療した後は故郷に帰って余生を療養して過ごすことになるので今日は普通の日記 (広義) をする.
カレー風味のスープです.スープカレーと呼べるほどの味の深みがないのでカレー風味のスープ.
きのこをたくさん入れた.きのこが好きなので.味 (というか軸の食感) も好きだし,野菜と違って皮を剥く必要がないのも好き.ぶなしめじ・エノキ・エリンギ・舞茸を入れた.舞茸は味は好きだけど形が怖いので料理に使うのを今までずっと敬遠していたけど,今回は頑張って使ってみた.
ぶなしめじの学名,Hypsizygus marmoreus らしい.種小名のmarmoreusは大理石という意味があってナンヨウクロミナシ (イモガイのなかま.Conus属の模式種) の種小名にも使われている.
ナンヨウクロミナシ,レンブラントも描いている.みんなイモガイ好きみたいで嬉しいな.
でも模様は写実的ではなくテキトーに描いているのがわかる.おい.
あと左巻きになってしまっているけど版画なのでこれはまあ……
ぶなしめじでなくホンシメジの学名はLyophyllum shimeji.エリンギの学名はPleurotus eryngii.マツタケの学名はTricholoma matsutake.こういうの好き.eryngiiの違和感のなさよ.まあこれは和名から学名を命名したのではなくて学名が俗名として使われるようになったらしいが.
ナメコ……
— a (@a151595) 2021年4月22日
---
ナメコ:https://t.co/bRFSxtCO40
マツタケ:https://t.co/4MvGHBuDfN pic.twitter.com/lg1rcsqBYb
マツタケはT. matsutakeがシノニムとして消えそうになったけど,T. matsutakeが広く使われていて変更すると研究に支障をきたすほど有名なので,保存名としてそのままになったらしい.一方でP. nameko (なめこの学名) は配慮なくシノニムとして消え去ってしまった.でも文献を調べてみると今でもP. microspora (正しい名) よりもP. namekoを使った文献のほうが6,7倍ほど多い.混乱を招いているぞ!
日本の研究者はほぼ例外なくP. microsporaのほうを使っている.和名が関係しているせいで逆に学名の変更が広く知られるようになったのかなと思ったけど,P. namekoが無効名であることが報告されたのが日本菌学会が出している英文誌 (Mycoscience) だったからという理由が大きそう.まああとほとんど日本でしか有名じゃないというのもありそう.でも謎にドイツ語とフランス語のナメコのWikipediaだけ充実していたけどなぜ?
まあそもそもP. namekoが無効名だと主張する論文の正当性がどうなのかという問題はあるけど,著者が日本菌学会関東支部の現会長らしいのでまあ論文が適当でただそれが広まっていないだけなんだろう,知らんけど.
調べた感じ,ナメコのヌメヌメの化学分析の論文がすごく多くてたぶんそこそこ人のいる領域なので名前の混乱はけっこう問題になってそうだけど大丈夫なのだろうか.お客様の中に真菌類に詳しい方は……
種小名が和名になっているの他の分類群でもけっこうあるっぽいな.
イボテングタケ:Amanita ibotengutake
バカマツタケ:Tricholoma bakamatsutake
ミヤコタナゴ:Tanakia tanago ←タナゴは別の種 (しかも別属)
タビラ:Acheilognathus tabira
ゼゼラ:Biwia zezera
アユカケ:Rheopresbe kazika ←カジカは別の種 (別属.もともとカジカ属とされていたけど違ったらしい)
イサザ:Gymnogobius isaza
ニホンリス:Sciurus lis
ニホンアナグマ:Meles anakuma
ニホンモモンガ:Pteromys momonga
アオゲラ:Picus awokera
コマドリ:Luscinia akahige ←ウケる
アカヒゲ:Larvivora komadori ←ウケる