2021.04.29 の日記:右の小指からはレモン汁が出てきてほしい

100の質問バトンの続き.


Q40.好きな異性のタイプは?のつづき

好きなタイプを聞かれたときに必要条件を聞かれているのか理想を聞かれているのか判断に困る.「やっぱり付き合うなら危険物乙4持ってる人じゃないとね~」みたいに必要条件があるならいいけど,僕はたぶん恋愛感情を抱くポテンシャルがある人に条件はない (緩い傾向ならある) と感じているので必要条件を答えると「やっぱり付き合うなら人間だと見なせる存在じゃないとね~」となる.理想を答えてしまうと,それはそれで「身の程を知れ」という手痛い批判が飛んでくるのが目に見えているので控えざるを得ない.理想に身の程は関係ないはずなのだが…….ちなみに僕の理想のタイプは右の手のひらから無限にワインが湧き出てくる人です.欲を言うと左手からは無限にチェイサーが湧き出てほしい.

身の丈にあった理想のタイプを答えると,好きなタイプの情報が伝わるのはもちろん,それと一緒に自分が自分の身の丈をどの程度だと見積もっているかが意図せず伝わってしまう.まあ実際は自分が思っている身の丈よりも低めの条件を言うのが相場な気がするけど,それでもめちゃくちゃ嫌だな.自己評価は極力他者には伝えたくないじゃないですか.まあ現実問題として誰でも当てはまりそうな「一緒にいて楽しい人」とか「好きになった人がタイプ」とかめちゃくちゃ緩い必要条件 (というか後者は何も言っていない) を答えるのがセオリーっぽい気もするのでこれまでの議論は全てナンセンスです.でも将来もし万が一ひょんなことから結婚相談所に行くことになったときは,真面目に身の丈に合った相手の条件を具体的に細かく述べなければいけない (知らんけどそういうシステムだよね?) のでそのときはストレスでおかしくなっちゃいそう.

実は僕が自分以外の他者のことを人間として見なしておらず,めちゃくちゃ厳しい必要条件を提示していた可能性…….いやそんなことはないのだけど.


こういう好きなタイプを答えるときに,答えるのは好きな人に何かしらの傾向があるという情報であって,その人が好きになった/なりそうな人の性質を予測する,あるいはある性質を持った人を好きになるかどうかを予測するためにはまた別の情報が必要になる.線形回帰を考えたときに各データ点の誤差が大きくても十分にデータの数が大きければ有意に相関関係があることを言える可能性があるけど,誤差が大きいということはある変数から別の変数を正確に予測することがほとんど不可能であることと同じ.世界の人間が優しい人と優しくない人にちょうど半分ずつ分かれていたとして,ある人がこれまでにブートストラップで好きになった60億人のうち30億10万人が優しい人で29億9990万人が優しくない人だったとするとほとんど確実に優しい人を好きになる可能性のほうが高いことを言えるけど,好きになった人が優しい人かどうかを予測することはほとんど不可能で,さらに特定の人が次に好かれるかどうかはもっと別の話になる.全体の傾向がわかるかということと個々の事象が予測できるかということが別の問題であることは言われなくてもわかってらあ!という感じではあるかもしれないが,今言及している好きなタイプというどうでもいい問題に限らず世間の一般的な出来事を考えたときにこの違いを意識できていないと間違った結論を導いてしまうので気をつけないといけない.

僕,個と全体の話が好きなのかも知れない.好きなタイプは個と全体です.


この話題はこれで終わりです.