人に勧められて魚喃キリコ『blue』を読んだ.名作とされる種類のマンガ.女子高生同士の大人びた“切ない”恋愛の話.「切ない」って言葉あまり使いたくないんだよな.祖母が何でもかんでも悲しい作品に対して「切ない」と言うので「切ない」をすごく解像度が低い表現だと感じてしまう.内容を一切理解していない雰囲気がでてしまうと思ってしまう.まあでも「悲しい」と同じでそもそもそういう曖昧な言葉か.
- 作者:魚喃 キリコ
- メディア: 単行本
悪くない話だったけど心には響かなかった.同じ世界に住んでるけど違う人達の話という感じで,たぶんすごくリアルを描いているんだろうけど僕にはわからないリアル.僕とは違う一つの具体的なリアルの中から普遍性のあるリアルを見出すことができる作品もあるけど,これはそういうのではないかなあ.クラスの知らん人の葛藤を見せられている感じ.
同時に同じ作者の『ハルチン』を読んだ.20代の女性2人の日常コメディ.
違う種類の『あたしンち』っぽい.ちょっと対象を絞った『あたしンち』とでも言ったらいいのか.
内容を理性的に思い返すとわりと面白いはずだけど,それほど心に残っていない.わからんけどたぶん僕は未だに親の庇護の下にいる感覚が残っていて,家族内の関係やこども同士の関係の内部の出来事にしか当事者として共感できないのかもしれない.自立した成人としての自覚がない.考えてみたらもうとっくに成人なんだよな……僕は……
あんまり褒めてないけどどちらも良いマンガだったと一応言っておく.良い作品と好きな作品は別で,好きな作品ではなかったなという感想.こういうマンガはたぶん統計的に好みに男女差がある気がする.
何かしら自分と物語の間に面白い普遍性を見いだせること (もしくは全く普遍性を見いだせないこと) が物語の良さのひとつだと思うけどそれがなかったのかなという感想.もちろん感情移入できなければつまらないと言うつもりはないけど,理解と共感の違いはすごく大きい.
というかもしかしたら作者に疎外感的な感情を感じているのかもしれないな.この作者は僕とは違う人間だみたいなことを勝手に思ってしまってそれを踏まえて作品を見てしまっているかもしれない.
本の感想書くのめちゃくちゃ難しいな.感じたことを正しく書けている自信が全くない.
読書感想文って夏休みの宿題としてかなり一般的な気がするけど僕は書いたことないな (サボったとかではなくてそもそも宿題として出なかった).読書感想文ちゃんと書ける人本当にすごい.