2021.06.20 の日記:ネタバレ人間

日記のストックがなくなってしまった。毎日日記を書くのはやはり僕には難しいらしい。またしばらく更新止めようかな。こう言っておいて毎日更新を続けるとカッコいいし、止めたら止めたらで問題ない完璧な宣言。

===


最近読んでいる本。レイ・ブラッドベリの短編集。人に勧められて読み始めた。「【名前】さん、この本の『題名』って話が好きそう」と言われたので興味を持って読み始めた。その話だけ読むのも違うので、最初から読んでいる。まだ勧められた話には辿り着いていない。分量が結構ある。電子書籍で読んでいるけど、ページ数が進んでいく感覚が遅すぎる。たぶん紙の文庫本だったらかなり厚い。ハヤカワSFにありがちな厚み。

いろいろ思うことがあったので、というかいろいろ思おうとして読んでいるような気もするのでここに感想を書いていく。完全なネタバレ。今回はバッファもない。ネタバレを人に見せていることとその正当性あるいは不当性を自覚してネタバレを堂々としていく。堂々とすることの正当性あるいは不当性をも自覚して自分の行動を正誤問わずに自覚的に生きていくぞ。これが行き過ぎるとマジで最悪な人間になるけどちょうど良い塩梅のところに人間の最適解があるような気もする。俺はネタバレをするぞ~~~。


1話目『霧笛』

孤独な怪物が海底で生き続けている話。

深い海で巨大な”海生爬虫類“が太古の昔から生き続けているのはSFではなくてファンタジーだな~と思ったけど別にこの本はSFと銘打たれているわけでもなく僕が勝手にSF短編集だと思いこんでいただけだった。あと怪物の詳細な説明が登場人物の発言によってなされているので、登場人物の勘違いだと考えることもできる。地の文では統一して「怪物」と表現されているけど登場人物のセリフでは「恐竜の一種」とか言われていたり (たぶんこれはあえて「恐竜」と書いている)、怪物が置かれている孤独な状況はほとんど全て登場人物の解釈だし、そもそも地の文も登場人物の一人称視点で単なる個人の解釈が多分に含まれているので、登場人物の見解をどこまで真実とするかで物語を、というか出来事を柔軟に解釈できる。まあさっきを書いたようにこれはSFではないのでそういうのはどうでもいいのだが。この話の主題的にも出来事の真実性とかはどうでもいい。

深くて静かな孤独感とそれが情動として激しく外に現れる様子、いいね。この次の話もそうだけど、レイ・ブラッドベリの孤独感の表現 (情景描写ではなくて状況設定とか。僕は詩的な情景描写の咀嚼力が弱い) すごく良いな、ネガティブな孤独感もポジティブな孤独感も。好き。

(続く)