今日も今日とて『太陽の黄金の林檎』の感想の続き。そういえば短編のタイトルって『』じゃなくて「」で引用するのが一般的だったなそういや。もう手遅れだけど。
8話目『人殺し』
周囲の通信機器を壊しまくる“精神異常者”の患者と面談する話。
『散歩者』とほとんど同じだけど、より直接的な風刺だけで話をまとめた印象。やはりこの時代にこれを書けるのがすごい。
まあ時代の風刺が主軸ということで今読んでも今更感がある。
色々な音楽が混ざり合って聞こえてくる様子が具体的な曲名とともに描写される文章が本文中にあるけど、音楽に明るい人曰くちゃんと音的に相性の悪い曲を選んでいるらしく、実際に同時に聞くと不快な音になるらしい。へ~。
話として好きではある。
この話は読んだ人の100%が理解できる風刺だと思うけど、そういう風刺は果たして本当に面白いのかわりと疑問に思う。
9話目『金の凧、銀の風』
2つの街が互いに対抗して総力を上げて城壁の形を作り変えていく話。
これは示唆的な話ですね~~~。大変に寓話的で示唆的な教訓めいた話ですね~~~。まあテーマにしているものがものだけにあまりふざけたことは言えない。中学の教科書に載っていそうな話だなという感想。
面白くもないし好きではない。これまでで一番何も感じなかった話かもしれない。僕が感じ取れなかった、あるいは気づけなかった面白い要素があったのだろうか。解説キボンヌ。
10話目『二度と見えない』
突然の別れの話。
これは明確に僕の感受性の問題で、あまり感想がないな。
英語が不自由な移民の話なので、原作ではその人のセリフは文法的に不正確な英語になっているらしい。もちろん日本語訳でも不自由な日本語として訳されているのだけど、この話はいろいろな翻訳家に和訳されて世に出ているので本によって訳が全然違ったりする。タイトルは原文だと"I see you never"なのだけど、日本語版だと『二度と見えない』『わかれ』『もう会えない』などのバリエーションがある。最初の訳は不自由な英語がわかりやすく表現されている。これ英語ネイティブの人は実際どう感じるのだろうか。想像がつかない。僕なりの感覚で日本語訳を考えていたけど全然思いつかないな。思い切ってめちゃくちゃ意訳したほうがやりやすいか。
11話目『ぬいとり』
これまで読んできた話の中で圧倒的に好き。LOVE。多くは語らないので興味がある人は自分で読んでください。
好き~~~。
(まだ続くけど『ぬいとり』が感情のピークだったのでもうモチベーションが薄れつつある)