実家に帰省したのはもうだいぶ前のことになってしまったが、そのときの出来事をつらつらと書いていく。
土曜の夜に帰ってきたのだが、早速翌日の早朝から農作業に駆り出された。リンゴの木に網をかける作業である。鳥が実をつつくのを防ぐために樹木全体を網で覆わなければならない。鳥が寄ってくるのを防ぐためには他に鳥用の案山子を設置する方法がある。鳥型の凧みたいなものが畑の上空でグルグル回されているのを見たことがあるかもしれないが、それである。
これ。
しかし、あまり効果がないらしい(鳥は賢いので)。うちの祖母は鳥用の案山子が設置された畑を見ては心底バカにしている。鳥用の案山子に孫でも殺されたのか?
網かけの話に戻る。
1枚の網は十数メートル四方であり、樹木2-4本の全体を覆うことができる。うちの畑の規模だと網が3枚あれば全ての木が覆える。
ただ、網をかけるのはそう簡単ではない。高さが5mを軽く越える木もあるので、切れ込みを入れた竹を先端につけためちゃくちゃ長い棒を操って網をかけていく。切れ込みに網が軽く引っかかるので、棒の先端で網を軽く「つかむ」ことができる。そうして数メートル頭上の網を「つかみ」、一方向へ送るようにして網をかけていく。しかし、とにかく網が枝に絡みついてなかなか先に進まない。網を送っては枝に絡みつき、絡みついた箇所をほどいては網を先へ送り、また絡みついては……をひたすら繰り返す。
もっと楽で効率良い方法ないかな。だだっ広い場所に木が数本立っているところに網をかけるだけだったらいくらでも方法があるけど、実際は隙間なく枝が重なり合うようにして全ての木が繋がって立っており、そのうちの数本に選択的に網をかけるのはかなり難しい。全ての木を一度に覆える大きい網をドローンでかけられたら楽そう。網の四隅のそれぞれを担当するドローン計4機を家族4人がそれぞれ操作して網をかけるのめちゃくちゃ楽しそうだな。
まあ長い棒を使うのが現実であり、網を3枚かけるだけで早朝からお昼前までをフルに使ってしまった。
完成。やったー。
しかし網をかける作業があるということは網を外す作業があるというわけであり、収穫時期の直前には同じくらいの手間をかけて網を外す。その時期になったらまた招集されるかもしれない。あるいは兄が招集される可能性もある。
リンゴに関する作業はこれで終わりである。半日で終わったのでヨシ。
しかしうちでは同じ畑で洋梨を作っており、翌週に収穫と出荷を手伝ったりクソ重い肥料を大量に運搬したりするのだがそれはまた別のお話……