諸行無常のまとめです．
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志摩マリンランド，閉館してしまうのか……
【おしらせ】
— 志摩マリンランド(公式) (@shimamarineland) 2021年1月29日
志摩マリンランドは2021年3月31日をもって、営業休止致します。
51年間続けられたことも、皆様に愛されたおかげです。
2021年3月31日までは、いつも通り営業しています。
このご時世ではありますが、お近くにお越しの際は是非お立ち寄りください。従業員一同心よりお待ち致しております。 pic.twitter.com/F70ZnmrJWx
一昨年の秋に行ったきりだけど，良い水族館だったな．残念．年度いっぱいまで開いているそうなので，できれば機会をつくってあと 1 回だけ行きたい．あの辺りは東京から簡単に行けないので，せっかくなら鳥羽水とか和歌山県博とかも一度に周りたいけど果たして……頼むぞ新型コロナ，収まってくれ……
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2019年11月中旬
志摩マリンランドで模様の特別展が行われているということで，これは是非行かねばと思って計画した．そろそろ修論をまとめ始めないといけない時期だったので最後に羽を伸ばす意味合いもあった．
交通手段としては高速バスか電車かレンタカーになる．鳥羽までの高速バスがあるが値段を考えると名古屋まで高速バスで行ってそこから電車で行ったほうが安い．あるいは，お金はかかるが利便性を考えるとレンタカーが良い．その場合は流石に東京から三重まで運転したくないので，名古屋まで高速バスで，そこからレンタカーになる．レンタカーは人数増やしたほうがお得なので Twitter で一緒に行く人を募集した．
誰か，来週末に鳥羽水と志摩マリンランド行きませんか．人数次第で名古屋からレンタカーを出したい．
— a (@a151595) 2019年11月13日
敗北したので，ひとりで行くことにした．
そうなると名古屋からは電車かレンタカーで行くことになるが，計画を練っていたら気分が盛り上がってきてしまい車で気ままにいろいろ巡りたくなったのでレンタカーで行くことにした．あと，このときまで一人だけで車を運転したことがなかったので，いい機会だと思って一人運転の経験を積むことにした．
一人なら気を使わなくてすむので，車中泊とかして宿代を浮かせられるし，その日の気分で行先変えたり旅を延長したりできるのでそれはそれで良い．僕は何かを計画するのがめちゃくちゃ苦手なので全部行き当たりばったりで済ませたい．人生もそれで乗り切ってきた．まあ計画が苦手ではあるが嫌いというわけではないので人と行く旅行の計画立てたりするのは楽しい．まあ大抵はどこかで破綻して途中から行き当たりばったりになるが．
ちょうど同じタイミングで知り合い（あるいは先輩，友達）が遠方に用事があって，方向が途中まで同じだったのでその人の車で名古屋まで送ってもらえることになった．ありがたい．
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2019.11.22
知り合いと大学の近くで集合し，確か 18 時頃に知人の車に乗せてもらい東京を出発．名古屋を目指す．
平日夕方の首都高はとても混んでいたので抜け出すのに 1 時間強かかった．そこから SA での休憩を挟んでひたすら雑談しながらのドライブ．雑談は好きだけど苦手．人と話してるとだいたい相手に話題の提供を任せることになってしまう．人といるときの静寂が苦にならないので，これまで長い間生きてきて話題を意識的に出すモチベーションがなかったけど，相手に負担を強いていることをそこそこ年取ってから感じ始めて辛くなっている．話題を出せないなりに会話の広げ方が上手なわけでもなく，頑張って自分から話題を振っておいて相手の回答に対して「へー......」みたいな反応をして会話をブチ切ってしまう．みんなどうやって会話してるんだ．まあ会話ができないことはしょうがないとして（しょうがなくはない），できないことを自覚してなかった（正確に言うと，できないことが問題であることを自覚してなかった）のはかなりマズイな～と思う．
会話に限らず自分の言動を客観的に分析するのは中高生くらいでできるようにならないといけないことのようが気がするし，できないままそれを自覚せずに生きてきたの怖すぎる．自分に対して人がどのくらい精神的に発達してるか全然わからないの怖くないですか？自分だけが中高生の精神に取り残されたまま周りの人だけ何年分も発達し続けてきているかもしれない．あと十年経ったら同世代と全くコミュニケーションとれなくなっているかもしれない．
少し前まで，冗談半分で自分で自分のことを「精神年齢が中学生」とかよく言ってたけど，あれは本当に精神年齢が中学生で止まっていることを実感として自覚してるわけではないからこそなんとなく言えることであって，「精神年齢が中学生」であることを実感するためには自分を客観視できるように精神年齢を中学生から成長させなければいけないのでそもそも「精神年齢が中学生」であることをリアルタイムで自覚することは理論上不可能．ところが自分を客観視できる人は自分が精神年齢が中学生ではないことがわかるので自分の精神年齢が中学生であることを言うことはなく（精神が成熟した人が 100 % 冗談で言う場合は知らんけど），すなわち「私の精神年齢は中学生」は常に真になる．たとえ本人の自覚がなくても．
「精神年齢が中学生より成長している」は偽になりうるので気をつけましょうね……
こういう自覚の伴ったメタ言及の言及（メタメタ言及）で何か面白い文章できないかなと考えたけど難しい．上の「私の精神年齢は中学生」は要するに「私はメタ思考ができない」ということを言っていて，メタ思考ができないという判断にはメタ思考が必要なので，自覚を持って「私はメタ思考ができない」と言うことはできない．すなわち「私はメタ思考ができないと正しく自覚している」は常に偽．......いや結局さっきと同じことを言い換えてるだけだな．論理学的な議論ではなくて単なる言葉あそびに過ぎないので厳密ではないけど，何か面白いことできそう～～～
最初は哲学的ゾンビのこと書こうと思ってこの話題書き始めたんだけど話膨らませてたらほとんど関係なくなっちゃった．
話は戻り，車の中ではいろいろな話をした．ほとんど内容は忘れたけど，『君の名は』の話をしたのは覚えてる．古文を題材にしてそうなのでその辺りの背景に明るかったらもっと楽しめるだろうな～という話をした．あとは全部忘れた．
6 時間くらいずっと話していたら名古屋に着いた．レンタカー屋（本当はカーシェアの駐車場）の近くの八田駅に降ろしてもらい，ここからはひとりで行くことになる．
2019.11.23
時刻は 0 時．名古屋にひとり残された．このとき生活リズムがズタボロで深夜がメインの活動時間になっていたので，夜のうちに行けるところまで行って力尽きたらいいところを見つけて車中泊することにした．とりあえず道中にトバリュウの産地があるので，とりあえずそこまでは行こうと思った．
初めての一人運転だったので結構緊張していたけど大きいトラブルはなく順調に進んだ．深夜だけあって名古屋から遠ざかるとデカいトラック以外見かけなくなり，松阪市に入る頃にはトラックすら見なくなった．広いバイパスを先行車も後続車もなく 1 台だけで走っていたので，感覚は完全に北海道の長距離運転と同じで非常に快適だった．深夜にできるだけ進むのは正解だった．
音楽をかけて熱唱しながらひたすら運転した．大学に入ってからカラオケに行く頻度が著しく減ったので，その分を埋め合わせるようにめちゃくちゃ歌った．高校の一時期は週 1 で行っていたのに，大学からはトータルでも 20 回も行ってない気がする．長野駅前は素晴らしい場所なので 3 時間 300 円ドリンクバー付のカラオケ屋があって部活の同期と毎週末入り浸っていた．ただカラオケといっても典型的な騒いでワイワイする感じではなく，各自が歌いたい曲をひたすらストイックに練習する場だった．一度，当時一番仲が良かった友達と 2 人でカラオケに行き，2 人それぞれが同じ曲を繰り返し何十回も歌い続ける回があって楽しかった．
歌うのは好きなんだけど，しかし音痴なんだよな．誓って謙遜ではなく．テレビの歌へた王決定戦みたいな番組見てると自分の歌を聞いてるようでわりと辛くなる（番組を批判しているわけではない．批判すべきかどうかは知らん）．音程がとれない+高音が出ない+息継ぎが下手のヘレンケラー．わりと強めの劣等感がある．基本的に僕は自己肯定感が高くて生まれ変わったら自分になりたいと思ってるけど，できることなら歌が上手い自分になりたい．あとはそのままでいいので．
高校の部活の同期とは何十回も一緒にカラオケ行ったからもう慣れたけど，僕の歌を聞いたことない人と一緒にカラオケ行くのははちゃめちゃに辛い．嫌悪感があるわけではなくて，ただひたすら緊張する．たぶん人生の緊張ランキングのトップ 10 くらいはカラオケが占めてる気がする．1 回歌ってさえしまえばなんやかんやで後は大丈夫なんだけど，その 1 回目が難しい．大学 1 年のときに大学の部活の普通に仲良い同期 6 人くらいと一緒にカラオケ行ったんだけど，初めての人とカラオケするの辛すぎて，僕だけ 1 人で別の個室でヒトカラしてた．お前には協調性がないのか？いや本当は皆とカラオケしたくて，だからこそ一緒にカラオケに行ったんだけど，なんか無理になっちゃったんだよな．あ～～～．
これでカラオケ好きなの意味がわからないな．まさにコンプレックスって感じがする．
たまに深夜の博物館でスピーカーで音楽流して歌ってるけど聞かれてないよな......？
まあでもなんやかんやで人前で歌うの平気になりつつある．俺の歌を聞けー!!!!! まあそもそもしばらくは人とカラオケに行ける状況ではないが．
そんなこんなで，
深夜 4 時，無事にトバリュウ化石産地に到着．
暗い．外灯が一切ない．この時間に来るべきではなかった．でもせっかく来たのでスマホのライトで照らしながら散策することにする．
ライトをつけたら看板が見えた．トバリュウじゃないやつ描いてあるのミスリーディングすぎない？
写真が下手すぎる．左下がトバリュウ，右下がイグアノドン科の足跡．レプリカ．
イグアノドン，鹿の子みたいな模様じゃん．なんで？
パンフレット置き場があったので見てみたら，
素性の知れないカタツムリがいた．パンフレットはなかった．
海岸に降りてみたが暗すぎて何もわからなかった．暗闇でしばらく波の音を聞いて黄昏れていた．深夜に．いい人生だった．
もうやることもないので近くの道の駅まで行って寝ることにした．
朝 5 時に到着．就寝．
旅行記って写真貼るだけになるな．
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道の駅伊勢志摩で 9 時半くらいに起床．雲一つない空から差し込む日差しと周りの喧騒で目が覚めた．道の駅がそんな騒がしいことあるかと思ったけど，どうもここは屋外にも農作物や海産物を広げて売るタイプの道の駅のようで，そのエリアのド正面に駐車してしまっていたらしい．朝起きたら周りで野菜売られてたの，状況としてはかなり面白い．貝も調理された状態でいろいろ売っていて気になったが，異常に食欲がなかったので何も食べられなかった．屋内もざっと見て回ってから出発した．
10 時半くらいに到着．一発で上手に駐車できた．世界で一番駐車が上手い．
そして，ここに来たからには例のマンボウを撮らないといけない．
Yeah! めっちゃマンボウ～．Twitter だと選んだ 1 枚だけツイートすることが多いので，日記（広義）にはせっかくなので没にした写真を可能な限り載せようか．
しかし天気良いな．
特別展のパネルもあった．パネル中央付近に書いてある水族館裏側体験というのが面白そうだったので申し込んだ．
水族館裏側体験開始．
こんな感じでバックヤードを案内してくれる．
これは何だ．何も思い出せない．マンボウを運ぶ籠？
実際に魚（など）にあげている餌らしい．美味しそう．この後，この餌を使って水槽の魚に餌やり体験をした．俺の餌を喰えー!!!!!
その後は展示の裏側をうろうろしていた．上の写真は展示されている水槽を上から管理できるようになっている空間．上から見ると違和感がすごい．足を滑らせて落ちたら下で魚見てる人びっくりするんだろうなとドキドキしながら見ていた．余命宣告されて人生どうでもよくなったら落ちに来ようかな．
めちゃくちゃサメとその卵の写真を撮っていた（最初の 3 枚は違う）．卵って鶏卵のイメージが強すぎるせいでサメの卵を見ると形が変でギョっとなるけど動物（広義）全体を考えたら鶏卵のほうが変なほうでは？
これは水槽に設置するサンゴの模型．模型といっても全くの偽物ではなくて，死んだサンゴを着色したものらしい．これ好き．欲しい．
Yeah! めっちゃマンボウ～
確かに水族館の裏にネコ入ってくるの死活問題だな．
水族館裏側体験終了．
常設展へ．
ポリプテルスが なかまに なりたそうに こちらをみている！
厚歯二枚貝も なかまに なりたそうに こちらをみている！
この厚歯二枚貝たち，甲高い声でケタケタ笑ってきそう．
志摩マリンランドは古生物にも力を入れてるようで，化石（と所謂生きている化石）の展示コーナーがわりと充実していた．上の写真もそのなかの一部．他にもたくさん写真を撮ったので供養する．
閉館したら化石コレクションはどこへ行くのだろうか．順当に行けば MieMu （三重県博）かなあ．
あとはひたすら魚を見る．
模様が面白い魚たち．「今日の模様」用に意識して写真撮ってたけど結局ほとんど世に出してないな．
あと，このときの僕はウツボ（の模様）にハマっていた．上の写真はウツボじゃないヤツが混じってるけど．
ウツボ，いきなり黄金伝説のイメージが強すぎる．いきなり黄金伝説がなかったらこんなに知名度ないのでは？
イソギンチャクばっかりいる水槽．今世紀最大にわっさわっさしてる．わっさわっさわっさ．
ヒトデたち．
この展示めちゃくちゃ良いね．好き．肝心のクラゲそのものは 1 枚も写真撮ってなかったけど．
大変長らくお待たせいたしました．貝です．
シャコガイが主役を張る水槽良いね．
楽しそうなアコヤガイ．僕より人生楽しんでそう．
ウコンハネガイ，お前この前別の水族館でも見たぞ．最近流行ってる？
前……足……？
ここで一旦お昼休憩です．
......今，お昼休憩に入ると言ったな．あれは嘘だ．まだ写真が残っていた．
「稜桂」とあるけど，「稜柱」の間違い？
これ面白いな．他の種でなら交差板真珠とかもできるのかな．
真珠が成長するとき成長面の曲率が小さくなっていくけど，成長面の曲率が貝殻微細構造に与える影響を調べることで微細構造のパターン形成の駆動力に何かしら制限与える，みたいな研究誰かやってないかな．どこまでが熱力学的な制御でどこからが生理学的な制御かくらいは構造の安定性みたいなのを調べれば何か言えそうだけどどうだろう．暇なときに調べよう．
生物物理学的な文脈での形態形成が好きだけど，議論じゃなくても話せる人があまり多くなくて悲しい．いや僕が無自覚にその話題を控えててそう思ってしまっているだけで，実際はみんなそこそこ興味あるんかな．みんな大好き普遍性．みんなはカレーライスと普遍性どっちが好きですか？
改めてお昼休憩．
水族館に併設されているレストランで昼食をとる．
「てこね寿司」と「アカモク（海藻）が入ったとろろうどん」のセット．どちらも志摩名物らしい，というかセットの名前が「志摩名物」だった．美味しかった．
だいたい食べ終わった後しばらくは残ったうどんの汁をすすりながらぼんやりしていた．水族館（あるいは博物館，美術館）に一日中いると脚がガクガクになるので意図的に休まないといけない．9 年ほど脚を使う部活やってきたのに体力ついてないなあと思ったけど，やってなかったらもっと体力なかったのかな．昔は休んだら負けだと思ってたから体力の限り動き続けて夕方くらいに力尽きてたけど，最近は頭が良いのでちゃんと休憩している．というか今回は一人旅なので力尽きたら何もできなくなってしまう．運転も慣れてないので疲れるし．
ルール110かよ pic.twitter.com/uaPwxbYeuB
— a (@a151595) 2019年11月23日
これはレストランの椅子なんだけど，その模様が一次元セルオートマトンのルール 110 っぽくて一人で盛り上がってた．
参考：
ja.wikipedia.org
セルオートマトンは僕が貝殻模様に興味を持つきっかけになった物のひとつなので思い入れがあったりする．実際の貝殻模様との関連は怪しいけど．
お昼を食べ終わり触れ合いコーナーへ．
カブトガニと楽しげに触れ合う僕．
タツナミガイととても楽しげに触れ合う僕．
時間がないと言いつつ写真の僕の手の部分に違和感ない程度に軽いぼかしを入れた．写真に人の手が写ってたら結構ギョっとしない？顔写真を見て嫌悪感を感じることはないけど手の写真はそうもいかない気がする．顔はアイコンとして抽象化されて認識されるけど，手って体の部位として具体的に認識されるから生物としての気持ち悪さみたいなものを感じてしまうんだけどどう？
タツナミガイと満足のいくまで触れ合った後，満を持して特別展へ．
入口．
写真中央のニシキテグリ（たぶん）の模様が面白い．この種は迷路模様をしてるけど，同属で水玉模様を持つ種がいるらしい．チュリみ（チューリングパターンみ）がある．
後はずっとウミウシを見ていた．
ウミウシ，だいたい水槽の端にいる．僕も水槽に入れられたら端に行くと思う．
その中でもミカドウミウシ（？）だけは水槽のド真ん中で泳いでて異常さが際立っていた．
他に魚の水槽いっぱいあったけど全然写真を撮ってなかった．魚に誠意がない．誠意ない将軍．
特別展終了．マンボウの水槽へ．
Yeah! めっちゃというほどではないけどマンボウ～．
チュリみ．
展示はこれで終わり．写真に撮っていないコーナーもまだたくさんあって，全体のボリュームがわりとすごい．結局，昼休憩含めて 6 時間くらい滞在してしまった．既に 16 時過ぎ．当初のぼんやりした予定だとこの日に頑張ってここと鳥羽水を見て回るつもりだったけど甘かった．
最後に，水族館の屋上がちょっとした展望台のようになっているようなので寄ってみた．
真珠の養殖．
16 時半過ぎ．志摩マリンランドを後にして次の目的地へ……行く前にそもそも目的地を決めていなかったのでしばらく車内で計画を練る．
伊勢市の赤福本店に行きたかったが営業時間に間に合わなさそう．前から気になっていた鳥羽のザ・貝屋という料理屋もダメそう．
これはもっと昔に行ったときに開いてなかった写真．ザ・貝屋に行けない閉じた世界線に閉じ込められている．
他に行くところもないので今日はとりあえずもう 1 回トバリュウ化石産地行ってから銭湯行って夕飯食べて終わることにする．
着くころには完全に日が沈んでいた．何も見えない．何も見えないのが 2 回目なのでこのときは写真すら撮っていない．また海岸に降りて黄昏れていた．黄昏時に．
（上の「黄昏れる」が誤用であることをさっき知った．でも調べた感じだと誤用してる人が圧倒的に多いので数年後には標準的な用法として公式に認められそう）
今度こそ本当にやることがなくなったので，銭湯を探す．明日の夜に名古屋に戻る予定だが，最終日に疲れて長距離移動はしたくないので今日のうちにできるだけ移動しておきたい．明日は津周辺をうろつく予定なので とりあえず津に向かう．
着いたけど 30 分くらい車の中でうだうだしていた．こういう旅行しておいて矛盾しているようだけど僕は新しいことが苦手なので，初めての場所に行ったり普段しない行動をとったりするときはその直前にうだうだしがち．人と行動しているときは流石にしないけど，ひとりだと落ち着くまでひたすらうだうだしている．書かなかったけど名古屋から出発するときも駐車場でずっとうだうだしていた．時間を無駄にしている感覚はあるけど，新しいものに触れて楽しむ気持ちと新しいものを恐れてうだうだしたい気持ちはたぶん根っこでつながっているので，時間があるときは心ゆくまでうだうだして「新しい物事に触れる」ということがどういうことかを忘れないように感じ取っていきたい．
いや，そんなことは実際思ってなくてただ純粋にうだうだしたいからひたすらうだうだしてるだけだが．うだだ～うだだ～うだうだだ～
オリジナルはウララ～ウララ～なのね．ちびまる子ちゃんが歌ってるパロディしか聞いたことなかった．
敬称の「ちゃん」って人のアイデンティティをかなり侵害すると思うんだけど，僕の感覚から想像するより全然問題にされていないような気がする．トランスジェンダーとかの話ではなく，細かい性格の差異の話．ちびまる子ちゃんとかドラえもんのしずかちゃん（しずちゃん）とかキャラクターは敬称含めて名前みたいなものなのでいいけど，生身の人間に対する敬称はもっと話題になってもおかしくないと感じる．（僕の感覚で）もっとどうでもいいことが世間で話題になったりしているし．人に向かって直接「ちゃん」を付けるときはほぼ必ず意図と感情が込められるので，話し手と受け手の間に食い違いがあったら簡単にハラスメントになると思うんだけど．まあ世間のみんなはコミュニケーションが上手なので食い違いはそうは起こらないのかな，すごいね（皮肉）．
僕がもし女性だったら「ちゃん」で呼ばれたらわりと不快にはなる気がする．いや，イデアの異性の僕を「ちゃん」付けで呼ぶ人間に不快になってどうする．まあでも自分が X 染色体 2 本持って同じ環境で生まれ育ってきたらどういう人間になっていたかを考えるのは面白い．知らんけどたぶん小中学校で女子グループの輪に入れずに孤立すると思う．知らんけどたぶん運動会系の部活には入らずかなりひ弱に育つと思う．知らんけどたぶんバンドとかやってそう．音楽はそこまで好きじゃないけどバンドやってる女子っぽい服装が好きでバンドを始める．知らんけどベースだと思う．でも 1 年だけやってやめる．あとは帰宅部．1 浪して知らんけどたぶん同じような専攻の同じような研究室に入って貝の模様をやっている気がする，知らんけど．あるいは学部卒で就職して平坦な人生を歩むのも現実的な選択肢として常に考えていそう．ちなみに，異性の自分はかなり性格が尖っていて，論理的思考力があるけどメタ思考は苦手で，あまり周りのことを考えないヤバイ人間だと思う．そもそも性別関係なく，僕が人生やり直したらまともに育たないと思う．パラレル同窓会やったらめちゃくちゃ荒れるはず．
敬称云々がそれほど問題ないなら僕も明日から周りの人間を全員「*たそ」って呼ぼうかな．
僕たそ～
— a (@a151595) 2014年11月20日
まあこういうのは誤解を恐れずに言うと感覚と程度の問題なので，簡単に一般化したり理屈にできなかったりするけど．
ちなみに僕は気にしないので是非僕のことは「［僕］たそ～」と呼んでください．
まあでも僕も生物学的に同性の後輩には「くん」を付けて呼んでいるけどこれも人によってはアイデンティティの侵害に見えるかもしれない．でもやはり「くん」を付けるときは比較的意図も感情も付随しないと思うけどどうだろう．「くん」に性別以外の意味ほとんどないと思う．場合によって性別も関係なく使うし．抵抗感なく「ちゃん」を付けている人も本当はほとんど全員意図も感情も込めてないのかもしれない．
ところで親しいのに距離感のある敬称を使うのも一種のハラスメント？
うだうだしながら Twitter やって満足したので風呂に入りに店内へ．YOU は何しに店内へ？
スーパー銭湯で入浴．2 時間くらい露天風呂でぼんやりしていた．一人旅も複数人での旅行も楽しいけど，楽しさの種類が違うからどちらも定期的にしたいとなぁという自明なことを考えていた気がする．人生における旅の役割を考えると，一人旅はそのときの今を楽しむためにやっているけど，複数人の旅行は思い出をつくるためにやっている気がする．旅行してるときにそういう目的を意識しているわけではないけれど，後から考えるとそんな気がする．最悪，一人旅が終わった瞬間に旅行の記憶が全て消滅しても本質的には困らない気がする．ありきたりな表現だけどいわゆる自分との対話というやつをするために一人旅をしている．メタ思考，していこう．Here we go, come on．
途中，露天風呂に流れていた BGM が気になりすぎて何も考えられなくなってしまった．絶対に知っている曲だけど全く思い出せず，オルゴール ver. だったので歌詞がわからず，メロディしか情報がない．誰の曲かもどんな曲かも歌詞も一切何も思い出せず，ずっとモヤモヤしていた．限界まで粘ったけどわからず，まだ夕飯も食べてないので風呂から出ることにした．
近くに安いチェーンの飯屋もあったけど車で移動するのが面倒だったのでスーパー銭湯内の飯屋で食べることにした．僕は旅先でもチェーン店とか行っちゃうけど，こういうの理解できない人もいるんだろうな．こういう状況で使われる「理解できない」ってほとんど定型句だけど，正確には「共感できない」だよな．自分と異なるスタンダードを理解しようともせずに，相手が非合理的な思考をしていると決めつけたときに出てくる言葉が「理解できない」だと思うんだけどどうだろう．あるいは相手の価値基準（公理系）で導かれた思考（定理）が自分の価値基準（公理系）からは導けないことを「理解（証明）できない」と言っているかもしれない．こっちのほうがそれっぽいけど，相手の公理系を把握しさえすれば理解はできるのでやっぱり「理解できない」という表現には違和感がある．
あと人生で共感の経験が多い人と少ない人での共感に対する捉え方の違いも効いているような気もする．共感することが当たり前になっていたら「共感できない」こと自体が悪口になってしまうかもしれないので，婉曲表現として「理解できない」と言っているのかもしれない．......本当か？
「理解できない」と言われて不快になるとかはあまりないけど，相手に理解する気が一切ないこともあるのでそこから会話が噛み合わず少し困ることはある（少しは辟易してると言ってもいいかも）．僕は共感されることが多くはないのでそういうことがたまにあるが，これを逆手にとってあえて共感させずに「理解できない」と言わせてとりあえず会話のタネをつくることがわりとある気がする．最初から共感させない気で話せば心の準備的なことができるし，相手がどんどん反応してくれて会話っぽくなったりする．ただこれは相手に指定の反応を強いているので，アイデンティティを侵害するポテンシャルを持っていてかなり悪い行為だと思う．僕が同じことをされたら内容によっては「ふ～ん」と言って会話をブチ切ると思う．というか実際してると思う，あんまり意識してなかったけど．あと共感させないつもりの話が共感されてしまうこともあり，その場合は気まずくなる．これはする場合とされる場合の両方がたまに発生している．まあこの場合は共感してる/されているので話の広がりようがあるが，「共感はできないけど理解はできる」という反応が一番困る．そこから会話が繋がりづらい．まあ，困ると言っておいて僕はこの反応をけっこうしている自覚があるが．僕が二人いて会話したら，お互いに「理解できない」という反応を求めて不発し，あんまり盛り上がらないと思う．共感ベースの会話ってどうやったらいい？今度，人と会話しながらリアルタイムで会話の構造の分析したい．
露天風呂で流れていた BGM は今もわかっていないそうです……（怖い話のオチ）
スーパー銭湯内の飯屋で夕飯を食べますた．
天丼．天丼ってなかなか食べる機会がない．好きなのに．てんやとかチェーン店もあるのに普段ほとんど食べない．てんや 1 回しか行ったことない気がする．てんやって誰が行ってる店なんだ．それとも僕が知らないだけで皆てんや行きまくってる？てんやって全然店舗ない印象だったけど今調べたらわりとあるな．僕だけが天丼を食べない街．
注文を天丼に決めるまでめちゃくちゃ悩んだ．注文決めるのに時間かけてしまうタイプ．進路選択とか人生における重要な選択はそれぞれの選択肢の違いがかなりはっきり人生に影響するから最適解を選びやすくて結局何度人生を繰り返しても同じ選択をすると思うけど，日々のご飯の注文はその選択が人生にほとんど影響を与えないから最適解がわかりづらくて人生の度に違う選択をする．ご飯を注文するたびにパラレルワールドが生成される．極楽湯津店で鉄火丼を注文したパラレルワールドの僕，元気にやってるかな．
重要な選択をするときも悩んではいるけど，選択肢を吟味するというより，正解と思った選択肢で本当に良いか確認したり自分の心と折り合いをつけたりするだけなので本質的には悩んでないような気がする．もしあのときこうしていれば……，みたいなのあんまりない．あり得なかった選択肢の話をしても……という気持ちになる．
けろけろけろけろけろけろけろっぴのパンケーキ．(けろ)n っぴ．けろ鎖のろ末端に親水性のっぴ基が付加されている分子．けろ鎖の長さで吸収する波長が違うので色が変わり，n=3 のときに緑色を呈する．っぴ基を外側に向けてミセルを形成する．
これ注文したらけろけろけろっぴのコースター貰えるキャンペーンやってたけど貰えなかった．悲しい．
24 時くらいまで休んでから寝る場所を求めて道の駅津かわげへ．
就寝．車中泊ってどういう体勢で寝ればいいのか未だに正解がわからない．
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2019.11.24
日付が変わりました．おはようございます．9:30 頃に起床．今日もそこそこ運転するので無理のないようにしっかり寝た．嘘．グダグダ二度寝を繰り返してたらこの時間になった．旅先でもめちゃくちゃ寝ちゃう．ホテルのチェックアウトとか夕方くらいまで許してほしい．
今日は MieMu（三重県博）へ行きます．
10:30 着
入口．市役所みたいな建物．中も市役所みたい．市役所みたいと言いつつ僕市役所行ったことないかもしれない．支所しか行ったことない気がする．僕は何をもって市役所みたいと言っているんだ……？僕の頭の中にしかない市役所のイメージがある．「市役所みたいだ」という形容動詞が一人歩きしている．家族的類似性で「市役所みたいだ」が分類されている！ポニョ，家族的類似性，好き！歩く長野市役所と呼んでください．
ミエゾウ．写真右奥に入口が見てるのが正式な展示室で，このミエゾウがあるスペースまでは券を買わずに入れる．MieMu は隣の三重県総合文化センターと繋がっていて，その利用者とかがミエゾウをいつでも見られるようになっている．ミエゾウは MieMu のシンボル的存在だけど，それを展示室でなくこういうスペースに展示するの良いな．
展示の量としてはそこそこあったけど展示の写真あんまり撮ってなかった．意識して写真撮るようにしないとなかなか写真撮れない．あと撮るとしても標本の写真だけで展示空間の写真はほとんど撮らないな．年をとって標本の知識が増えて標本ばかり見るようになって逆に視野が狭くなっているのかもしれない．
写真のは違うけど，一部の化石が引き出しで展示されていた．引き出しで展示するやつ好きじゃないんだよな．バックヤードの再現という意味合いでの展示としてはまあ良いとして，標本の展示としては見づらいので面白い標本は引き出し以外で展示してほしい．引き出し数十杯あると疲れてしまうので......．引き出しって杯で数えるんだね．言われてみればそんな気がするけど知らんわ．引き出しの展示には他でも見られるようなありふれた標本だけ入れるか，あるいは引き出しの数を少なくしてほしい．いや楽しいんだけどね......
植物のレプリカ標本って初めて見たかも．もしかしたら気づいてないだけでわりと見ている？植物に誠意がない．誠意ない将軍．
弥生時代の食事の再現．美味しそう．ハマグリはいいとしてなんでイイダコ食べてたことがわかるのかと思って調べたら蛸壺が出土しているらしい．なるほど．
日本を代表する昆虫ガロアムシ！日本を代表する昆虫ガロアムシじゃないか！
デイリーポータルすごいな．ガロアムシの記事がある．
誰かガロアムシ探しに行きませんか？
セイスイガイが生息する志摩海脚の海底の石！セイスイガイが生息する志摩海脚の海底の石じゃないか！
単板類見に豊橋行ったの 1 年以上前なんだなぁ……．まあでも適切に 1 年ちょっと前という感覚だな．昔を思い出すときは「あれからもう*日/週/月/年経ったのか～，時が経つのは速いな～」という感覚になりがちだけど，真剣に冷静に考えればそうでもないと思っている．「時が経つのは速いな～」と思ったら時間感覚をキャリブレーションしていこうぜ．『とらドラ！』原作が 15 年前？妥当！
あとは伊勢神宮関連の展示が多かった．今回は時間の都合で行けなかったけど次は真っ当に伊勢神宮行きたい．
仏像の特別展やってた．撮影不可だったので物の写真は 1 枚もない．仏像のこと何も知らなかったけどちゃんと知ると面白い．四天王にめちゃくちゃ踏まれてる餓鬼ウケる．
14:30 に見終わった．この日の名古屋発の夜行バスで東京に戻る予定だったので，時間にはわりと余裕がある．車で行ける範囲に化石産地があるらしいので見学に行ってみることにした．
産地着．
朝からここまで食事をとった記憶がないんだけど流石に何も食べてないはずはないのでどこかで何か食べたと思うんだけど何も思い出せない．朝道の駅で何か食べたんかなぁ．
露頭下にデカい岩がゴロゴロ落ちていて，表面に貝化石が見えていた．わりと古い時代の貝化石で，しっかり固結した岩石中に入っていたので「化石！」って感じの化石でテンションが上がった．
元々古生物が好きで図鑑をいつも見ていた．小さい頃は神様がいて恐竜やアンモナイトが好きで少し成長したらカンブリアの生物に興味を持って，なんやかんやでそういうことを研究したくて今の所属に来た．見慣れない”変な”生物が昔は生きていたことに魅力を感じていたと思う．でも大学で勉強するうちに，絶滅した生物が特別”変”なのではなくて，僕が知らなかっただけで現生の生物もかなり”変”だということ，すなわち，小さい頃に感じていた古生物の面白さは生物の面白さとほとんど同じだということがわかってきた．だから今はほとんど現生の生物だけを対象にしている．だけど，現生の生物だけをやってるうちに現生の生物に対して本当に”変な”古生物が理解できるようになってきて，ようやく古生物の”本当の”面白さがわかってきた．
一方で化石自体の面白さ，つまり昔の生物が物として今も残っていることの面白さ（interesting じゃなくて exciting?）もあって，これは図鑑からではなく博物館とかフィールドで実物を見てきて育まれた感性だと思う．こっちは成長とともに薄れてきている感覚があって，定期的に博物館か特にフィールドへ行かないとめちゃくちゃ感性が鈍くなってしまう．だから今回フィールドで「化石！」を見ることが出来て，テンションが上がった．
余談：僕がダブルクォーテーション使うときは反語的な用法でしか使わない．強調するときは括弧．
見つかったのはほとんど全て二枚貝だったけど 1 個体だけ巻貝見つけた．嬉しい．
日が暮れてきたので離脱．17 時前くらい．名古屋に戻る．
おぼろげな記憶によると途中のローソンで間食にフルーツサンド買って食べた気がする．あとたしか L チキも．
日曜の夕方なのでかなり混んでいた．ナビの 2 倍くらいかかった．20:30 名古屋市着．
有名な名古屋駅の東急ハンズに行きたかったが既に営業時間外だった．いつかリベンジする．
最後はそれらしいものを食べようと味噌カツを食べることにした．
矢場とん．東京にもある．でもここは名古屋なので．
美味しかった．味噌カツ好き．
夕飯後，矢場とんが入っていたデパートのお手洗いに行ったんだが，
ヤバいことになっていた．何があったんだ……
あと男子トイレで僕ひとりとはいえ，トイレ内で写真撮るのたぶんダメだよな．許して．
夜行バスの時間まで 2 時間ほどあったので，カップルがわんさか座ってる駅前の広い階段に一緒に座ってボーっとしていた．カップルがこんな時間に駅前の階段で何をやってるんだよ他にやることがあるだろ，知らんけど．知らんけど．
そして 24:15発の夜行バスで東京へ帰還．旅行は終わりです．
（終わり）
