2021.09.18 の日記:・・・お前はいいな ナカーマがたくさんいて

(昨日の続き)

少女終末旅行の話をします。

印象に残った話の感想。


3巻 27話「螺旋」(アニメ第8話中盤)

作者は螺旋になにかしらのこだわりがありそう。作者Twitterをさかのぼって見てみると貝や螺旋についてのツイートがちらほら見られ、巻貝やオウムガイ、アンモナイトを描いたイラストも数点見つかる。なんだか嬉しいね。


ルパン三世みたいなシーンのところ、漫画の「アクセルを踏み続けて・・・!!」という台詞に違和感がある。大ゴマだったのもあってやけに印象に残っている。助詞の「を」がないほうが自然な気がする。この漫画はそういう言葉の違和感があんまりないので珍しいなあと思った。基本的にアニメでは原作の台詞がそのまま使われているけど、この台詞は改変されていた。

僕は文章を書いているときに助詞を入れるかどうかを (他に推敲すべき点があるのを差し置いて) 必要以上に悩んだりするので、こういうのが一旦気になり始めるとずっと気になってしまう。あとは最近は読点の箇所も気になるようになったけど、読点はマジで難しい。それと前にも書いたけどダブルクオーテーションの半角全角と向きに敏感になっている。流石にみんな間違えすぎていて気になってしまう (フォントのせいもあるのでアレだが)。たぶんこの日記を読んでいる人にも各々が引っかかる言葉とか表現とかそれらの間違いがあって、この日記を読みながらいろいろ感じるところがあったりするんだと思う。そうやって互いに言及して複雑に絡み合う構造が時間とともに変化しながら文化を形成しているところを想像すると、大いなる流れの一部として個が存在していることを実感して心が安らぐ。少女終末旅行の全体を通したテーマとしても、そういう個と全体の感覚があって (たぶん)、その辺りが僕がこの漫画が好きな主な理由である。

個と全体について書くの、絶対にこの話の感想でメタを迂回までしてやることではない。もっと直接的に言及している適切な話がある。


4巻 29話「破壊」(アニメ第11話中盤)

世界に2人しかいない状況での倫理とは……。

アニメでの破壊兵器の描写が良かった。


4巻 32話「仲間」(アニメ最終話後半)

漫画とアニメで細かい違いがいろいろあって、漫画のほうが好き (アニメも普通に好き)。アニメだとこの話で〆なければいけないので、調整のためにはしょうがない部分はあると思うけど。


ユーリが「・・・お前はいいな 仲間がたくさんいて」と言うところ、漫画での表情がとても良い。こういう顔をして生きていきたい。


急に世界の雰囲気が変わるくらいの設定がぶっこまれる (伏線的なものはあったけど) ので、地の面白さがなかったら興醒めになっていたかもしれない (最初アニオリかと思った)。でも、あの生物 (?) は作者にとっての願望とか救いが形になったものな気がしていて、それを考えるとわりとアリなのかなという気持ちになる。

僕は作品を人のアイデアが形になったものと捉えがちなので、作品を作者から切り離して考えるのが苦手である。作品の考察をしようと思っても作者がどういう意図でそれを作ったのかを考える (というか感じ取る) ことが多い。作者の意図は差し置いて純粋に作品だけを材料として考察をすることもあるけど、そのときはどこか一歩引いている自分がいて、「まあこんなこと作者は考えてないけどな……」とも思っている。まあ僕が感じ取った (と思っている) 作者の意図も全部間違っているかもしれず、作者が意図しているかしてないかだけに意味を見出すのは危ういとも思っている。

自分とあまりにも違う人間の作った作品を見ても意図が全然わからなくて楽しめないことが多い。美術品を見ても感想が「わかる~~~」と「わからない……」しかない。わからなくても楽しめるようになりたい。あるいは全部わかるようになりたい。

サムネ用


(続く、続く)